【たこつぼ】について

 
たこつぼ
http://d.hatena.ne.jp/jkondo/20080412/1207953693
 
(以前はてなのシステムコンセプトについて言及したエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/tea-kettle/20080326/1206496401
 



 

しかし、今のまま行くと、単にインターネット好きの人々が集まるたこつぼを作るだけで、ネットの進化は別の方向に行ってしまう可能性があるという強い危惧を感じる。

 
現実から目をそらしているのか、自分でやろうとしていることが分かっていないのか、その両方なのか。
 



 
はてなを形作る理念は「人の目の集まっているところにさらに人の目が集まる」だ。だからこそ、一度話題になったエントリのところには追加で様々な人間が訪れて、玉石混淆のコメントをつけていく。
そして、そうやって訪れる人間と飛び交うコメントの数が増えれば、はてなのメカニズムに支えられ、さらに吸引力は増していく。
 
いわば、人工の万有引力法則。
そりゃ、放っておけばブラックホールが出来上がるに決まっている。
 
そんな構造のシステムをわざわざ作ったのだから、コメントが荒れるとかブックマークが乱れるとかよくわからない誹謗中傷が飛び交うとか外から「はてなムラ」なる謎の閉鎖社会として見られるとか、そんなものは全て「予測されていた結果」であるはず。
そして、その中で生息するイキモノしか、このはてなという空間では生き延びられないだろうことも、最初から予定の中に入っていたはずだ。
少なくとも、「強い危惧を感じる」などという段階は、とうの昔に過ぎ去っている。
 

 
もしかしたら、このブラックホールシステムは、はてなの本意ではなかったのかもしれない。シャーレの中の細菌のように、話題と話題が有機的に結びついてコロニーを形作るようなシステムこそが、はてなが目指した理想のコミュニティの形だったのかもしれない……と、思わなくもない。
 
しかし、もしはてながそれを狙って作られていたのなら、最低限、それぞれのユーザーごとの立ち位置からエントリ巡りが出来るような方向で開発が進んでいたはずだ。
例えば「おとなり日記」のシステムの強化などの形で、いくらでも簡単にそれは達成できただろう。そうしようと思いさえすれば。
 

 
個人的に、創造的なエンジニアが頑張っている姿を見るのは好きだ。
技術者特有の不器用さにもがきながら、それでも前に進もうという姿勢を見れば、ただそれだけで応援がしたくなる。
だから、個人的には、「良いサービスを作ろうと全力でがんばっている」近藤氏の姿を肯定したくも思っている。
 
しかし、だからこそ、望んでいる(と公言している)方向とはまるで違うところへと全力で邁進している姿を見ると、歯がゆくて仕方がない。