「フェア」、それは身勝手な自説を正当化する魔法のことば。

 
「MADが違法な先進国って日本とイギリスくらいなんだけど」
(少年少女科学倶楽部)
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この記事を読んで真っ先に連想したもの……
 
「この社会は男性基準で作られている! 不平等だ!」
「欧米ではとっくに男女同権が達成されている! 遅れているのは日本だけ!」
女性専用車両は素晴らしい、でもまだまだ平等にはほど遠い!」
「公共機関はもっともっと女性に配慮したサービスを提供すべき!」
「女性に料理をやらせるな! 家事をやらせるな!」
「男性が変な趣味を持つのは認められないけど、女性の趣味は無条件に受け入れるのが当たり前!」
 
言葉だけの平等を叫んで、その実は自分に優遇処置をとることを声高に要求しているだけというあたり、実にそっくりだと思うのだけど。
 
あと、本人たちが味方だと思っている人たちが、実は他の誰よりも強く、迷惑そうな視線を注いでいる辺りとかも。
 

 
あと、フェアユースという言葉を勘違いしていたり、仮定に仮定を積み重ねて典拠をスキップしていたりする辺りとかをスルーしてすら、どうにも腹が立って読み飛ばせなかった一文がある。

著作物というのは一方的に「見せていただく」「聞かせていただく」ものじゃない。演奏や二次創作などの形で使われて発展させていくもの。

 
世の中の作品は全てが「月姫」であり「ひぐらしのなく頃に」であり「東方シリーズ」であり(いずれも二次創作などによって生まれたコミュニティが爆発的に発達し一般の作品ファンなどとの間に摩擦が生まれた経歴を持つ作品タイトル)、なおかつ、それらの作品に触れた者たちが作るコミュニティ内部で発生する二次的生産物に触れない限りそれらの作品を楽しんだとは言えない。
と、ここで言われていることを要約するとそういうところだろう。
 
うん。
なんていうか、こう……ふざけるな、と。
どれだけ作品と作品制作者と一般のファンに失礼なんだ、と。
 
この理屈は、「女性は、ただ女性であるというだけで、大切にされるべき」という理屈とまったく同じ構図だ。
自分の中にある(一方的な)倫理が、世界全体を支配する絶対の法則であるかのように勘違いして、それを周囲の人間に強要する姿勢。
しかも当人にはその自覚が一切なく、当然のことを当然のこととして口にしているだけのつもりでいるから実にたちが悪い。
 
その言葉がどれだけ多くの人をコケにして、どれだけ多くの人を不快にするものなのか。そういったものをちょっとでも想像出来たならば、すぐにでも自分の口を塞いで顔を青くしているだろうに。
気付かないというのは実に幸せなことだ。
そしてその強靱な幸せさに関してのみ、少し羨ましいと思えた。