「私も“言わされ”たい」

 
産経新聞特集部 私も言いたい】
http://sv4.activecr.com/question/SankeiAk/eank_0264/eank_0264.cgi
 



 
これにYesと答えるということは、同じゲームに登場する
『たけざお』
『くだものナイフ』
ひのきのぼう
『かしのつえ』
なども、もちろん同時に取り締まられるべきだと主張するということになるのだろう。
 
これらはどれも、ゲーム内において直接の殺傷に用いられた正真正銘の「凶器」である。そしてこの現実世界においても、これらの凶器はまったく購入・所持に制限がかけられないままに存在しているのだ。
入手のしやすさを考慮に入れると、議題にあがっている「ダガーナイフ」などとは比べものにならないほど危険だと言ってもいいだろう。
 
日本中の檜は切り倒されて燃やされて、リンゴを剥くときにはピーラーを使うことを余儀なくされて(ウサギ型にリンゴを切ることなどもちろん違法だ)、物干し竿はプラスチックに限られることになる。
 
いや、待てよ。大事なことを忘れていた。このゲームにおける武闘家の素手は何よりも恐ろしい凶器なのだった。
ということは、今回の話が使用制限ではなく所持制限に関するものであることを考えると、格闘技を修めた人間は手足を切り落とさなければならないということになる。
 
史上に見る刀狩りや戒厳令を、はるかに上回るレベルでの取り締まりだ。
日本という国は、ついにそこまで来てしまったのか。
 

 
ここまでは、まぁ、冗談としても。
 
ダガーナイフの取り締まりが妥当であるか否かの話などは、この際どうでもいい。
とにかく恣意的な結論を出すつもりであることがあからさまな文面とともにアンケートをとるという行為は、(質問者が極端に愚かなのでない限り)多くの人に対する挑発にしかならない。
 
ゲームが好きな人が怒るなり呆れるなりするのは当然で、それは質問を行った新聞側も承知の上だろう。
しかし、挑発対象はそれだけではない。このアンケートは、真剣に再犯防止について考えている人間すべてに対しても「ゲームが悪いことにしとこうぜ」と持ちかけているのだから。
 
何らかの意図があってのことではあるのだろう。
しかしその狙いが何であったにせよ、産経新聞という安くない看板を掲げてこれほどのことを行うというのは、リスクの大きすぎる話だと思うわけだが。