実は成人指定だったGoogle

【未成年はGoogleGmailYouTubeなどを利用することができません】
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080328_google_term/
 
Google利用規約
http://www.google.com/accounts/TOS?loc=JP
 
「実は未成年は利用してはいけないことがわかりました」って、ほとんどノリが夕方のニュース番組。
 



 
もともとGoogleが成人指定されているなら、「僧衣でぐぐれ」とか、「アリスでぐぐったらエロゲー会社の名前がトップに来た」とか、以前何度か持ち上がった問題のことごとくが、(Google側から見れば)そもそも何の問題でもなかったということになる。
 
利用者には未成年などおらず、ページを閲覧することで受ける被害についても自分で責任がとれるはずなのだ。
ならば、リンクした先がエロ画像だろうがグロ画像だろうがウィルス踏み放題だろうが、踏んだそいつの自己責任。Googleが責任を取って対処しなければならないということには、ならない。
 
対処する姿勢を見せたとしても、それは問題の責任をとっているからではない。そうしたほうがユーザーにとって利便性が高くなると判断したからだ、ということになる。

同様、YouTubeにエロ動画があがっていても、風紀上は、何の問題もないということになる(著作権・肖像権などの問題は変わらずに残る)。
 



 
しかしこれは、意外とシャレにならない話じゃないだろうか。
 
規約内容を読まずに、便利なものを便利だからという理由で使い放題というのは、現代のWeb文化の基本的な慣習だ。
そのこと自体危険な問題ではあるのだけれど、今回の話はそのさらに斜め上、「規約を確認する機会も与えず、そんなものがあるという認識さえさせずにサービスを人前に押し出す」ことが当然のようにまかり通っているということだ。
 
今どきのユーザーにとって、Googleは最初からタスクバーに入っているものだし、YouTubeは直接動画が見られるURLに飛ぶ(もしくはブログに動画が埋め込まれている)ものだ。どちらも、そうと意識して使い始める類のものではない。
それが、実は、18歳未満お断りのサービスだったなどというのだ。
 
これはもはや、ユーザー側に規約を守る気がないとか、そういうレベルの話ではない。
サービス提供側の、規約をユーザー側の目に触れさせるつもりすらないという、明確な意思表示として見るべきだろう。
そして、「規約は無力で何の意味も価値もないのだ」という巨大な「慣例」を、何も知らない(知るすべもない)ユーザーたちに刷り込んでいるということだ。
 
割れ窓理論を持ち出してくるまでもない。
そのような流れに導かれて育っていくこれからのWeb文化そのものに、今さらながらに、小さくない不安をおぼえる。